第9回『スターフォース(1984年)』

(記憶違いや勘違い、曖昧で正確ではないところも多々あるとは思いますが、どうかご容赦くださいますよう切にお願い申し上げます。)

 当時、ゼビウスと双璧と個人的に感じていたのが、テーカン(TEHKAN)の「スターフォース」です。テーカンは「テクモ」の前身の社名になります。タイミング的には、アーケード版「ボンジャック」の頃はテーカンで、ファミコン版「マイティボンジャック」発売の時には名称はテクモに変わっていました。「ナムコ」のようにアーケードゲームはナムコ、家庭用ゲームは「ナムコット」と使い分けているのかなと、ちょっと思ってしまいそうになりましたが、そうではなくすっぱり社名変更だったようです。今はまさかの、歴史シミュレーションゲームの「光栄」と合併して「コーエーテクモ」になっているのは驚きです。
 双方ジャンルは縦スクロールシューティングゲームですが、対空対地と2ボタンで撃ち分けるゼビウスとは異なり、スターフォースではショットボタンが一つに統合され、空中の敵にも地上の敵にも、両方とも同じビーム(自弾)を当てるゲームシステムとなっています。
 そして、何発も撃ち込まなければ破壊できない、耐久力のある敵キャラクターが多数登場します。まだまだ連射装置なるものは未来の話、ゲームで生き続けるためには生身のプレイヤーの連打力がそのまま、自機の火力に直結するゲームバランスでもありました。

 比較のためにまずはゼビウスの場合、戦術的には地上の敵の配置を覚えることが攻略のポイントとなります。実戦としては、画面内に地上物が入って来る位置に予め照準を合わせておいて、出現したら先手を打って速攻で破壊するのがベストです。この時の空中物との組み合わせ(ワープアウトしてくる敵、スピードの速い敵など)によってはパターンが崩れ、前進させていた自機を後退させながらの応戦に陥りますが、少しでも地上からの攻撃力を先に削いでおくに越したことはなく、逃げに徹すると舵を切った際の回避ルート探しも、その分だけ楽に見つけ易くなります。
 一方、スターフォースの場合は空中戦(と言っても舞台は宇宙です)がメインとなります。敵キャラクターが連なって出現し、前方の敵を地上物もろとも連射で粉砕するパワーと、空中物を撃ち漏らした際の、四方八方からのオールレンジ攻撃を避けきるテクニックが要求されます。正に撃って避けるテンポの速さと、どちらの操作にも爽快感があり、シューティングゲームの面白さの原点を感じる瞬間が連続します。
 なお、空中物と地上物との違いは、空中の敵は自機と当たり判定があるのに対し、地上の敵は上空に重なってもミスにはならず敵弾も撃ってはきません。地上物が影響する場面としては、その耐久力によって自弾を吸収し、攻撃をしてくる空中物の盾の役割をするところです。また、耐久力のあるキャラクターは点数も高く、得点狙いの無理な行動をさせてミスを誘うこともしばしば発生します。

 実は私が住んでいた町や周辺地域には、アーケード版スターフォースは入荷していなかったように思います(見つけられませんでした)。一応、県庁所在地の中心街にあるゲームセンターには置いてあったと、チラッと情報は入ってはいたのですが、結局はデータイーストの「Bウィング」、タイトーの「ジャイロダイン」、カプコンの「1942」と並び、ファミコン版を先にプレイすることとなりました(ジャイロダインに関しては、それ以降もアーケード版を見た記憶はありません)。因みに近隣のゲームコーナーで遊ぶことができたタイトルには、コナミの「メガゾーン」、カプコンの「バルガス」、ゼビウス亜種の「イスパイアル」などがありました。
 ファミコン版スターフォースはハドソンから発売されました。アーケード版は知らなくとも、ファミコン版はプレイしたことがあるという人はいるのではないでしょうか。カセットを見ると「TEHKAN」と記載がありますが、取扱説明書では、タイトル画面のスクリーンショット中に小さく確認できるだけとなっています。また、話題だった100万点ボーナスのことは「地上絵のナゾとゴーデスの正体は~」と、正体そのもののイラスト付きで解説がなされていますが、謎解読のヒントとなる地上絵の部分は当然目隠しされ、アーケード版で明かされる「クレオパトラ」という本名は説明文には使われていません。(ファミコン版初代「ボンバーマン」では、ゴーデスという名前で2万点の隠れキャラとなってしまっています。)
 …「ゴー、ですか?」「ゴーデス、です。」「ゴーデスは大陸名です。」です。敵全体を総称してゴーデスなのかなとも思いました。

 年齢的にゲームセンターにも行けるようになって、初めてアーケード版スターフォースを見た時は、内容はよく知っているゲームなだけに不思議な新鮮さを感じました。
 アーケード版で驚いた点は以下のとおりです。

(1) 自機がビームを発射した瞬間、ガコンとブローバックのようなアニメーションをする砲身。
(2) 鉄柱越しや敷かれた鉄板の窓枠から覗く、遠くの星団や銀河、星雲のグラフィックが素晴らしく綺麗。
(3) ステージ区切りとなるエリアターゲットと地上物の形が豊富で、金属の光沢を表現したグラデーションがリアル。
(4) 音色が軽快で旋律も美しいBGM。
(5) 宇宙を背景に、古代エジプト象形文字の地上絵と、巨大生物(シーラカンス?ダイオウグソクムシの裏?何かの骨?)の化石の描写が神秘的。

 ゲームを進めていくと、難易度的にも流石アーケードと感心する場面に幾度と直面し、追い込まれたところへ別の敵の複合攻撃が掛かったり、基本は自機狙いの敵弾なのですが、時間差で飛んで来る弾速と弾数の多さには慌ててしまいます。
 ※メディアカイトSUPER1500シリーズの、Win95&98版スターフォースでおさらいを兼ねてプレイしましたが、クレオパトラまでが限界で地上絵を見ることは叶いませんでした。
 しかしながらファミコン版でも、登場するキャラクターの動きはとても滑らかでスピーディー、撃って壊せるオブジェクト数も多く、脳の処理能力を十分に刺激してきます。さらに、遺跡から復活させたような、オーパーツの雰囲気を感じるキャラクターのドット絵(顔の形に変化する地上物は神々を表しているそうです)と、奥の星と手前の大陸の二重スクロールも見事に再現しています。
 地上絵については、既存のキャラクターチップを使って座標で組み合わせることにより、省略はせずに簡易的に表現する手法を取って工夫しています。(ファミコン版ゼビウスでは全景がカットされてしまうような、大きなサイズの地上絵を扱うには、それなりにロム容量が必要だと容易に想像がつきます。)
 最後にまたついでとなってしまいますが、近所だった友人の家で、キーボード付きのセガハード(SC-3000…か、SG-1000互換のオセロマルチビジョンだったかも?)でスターフォースを遊んだ記憶が微かに残っています。「ザクソン」や「スタージャッカー」など、セガのゲームはファミコンでは遊べない時代でもありました。すでに十字キーのコントローラーに慣れていたため、本体側に固定されている操作がままならず、全く先へ進めなかったような気がします。それから、スピードアップと速射ができるようになるパワーアップブースター「パーサー」が、ちゃんと自機の後ろに付く姿に感心した覚えがあります。

 ※連射の話だけでもボリュームがありますので別回に分けたいと思います。「ラリオス」と「ジムダステギ」もその時に…。
 そしてついに、1.9.8.5年ガ、ヤッテキマス。

(お読みいただきありがとうございました。)
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tag : テーブル筐体スターフォースゼビウス

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