第10回『個人的チョイス3×3(前編)』
思い出深く、昔よく遊び、今でも振り返っては引っ張り出してきてたまに遊ぶゲームです。色々と他のゲームをやってはみても、結局はここに戻ってくるというゲームです。
最新ハードについてはもちろん魅力的で、生活にもう少し時間的な余裕ができたらまず間違いなくドはまりしてしまいそうな、ある意味非常に危険な奥の深い…完成度の高い新作もたくさんリリースされておりますが、現在はどうしても創作活動やこうして記録作業の方に力を入れたいと考えているため、購入の予定はちょっと…、まだまだ先なような気がします。もうこの時点で既にPS5の話題が出ていますが、私にとって初代プレイステーションとセガサターンは永遠の次世代機です。
※限られた持っているソフトの中からですので、相当に私的な思い入れやら偏りがあること、また不明瞭な当時の記憶に加えて内容が複数のゲームに渡るため、それぞれ個々の文章が雑になってしまっていることを予めお許しください。
1.ファミリーコンピュータ
(1) 沙羅曼蛇
「生きて還る、つもりですか?」…発売日が迫り、ファミコンで巨大プロミネンスを再現した衝撃の映像と伴に、プレイヤーに語りかけるようなナレーションのテレビCMが流れるようになります。しかし次の瞬間、「発売日が1ヶ月延びました!」……エエェェェー!?ガクーン…みたいな。実は発売延期を知らずにおもちゃ屋さんへ行きました。その時は買えずにショックで抜け殻のようになりました。予約しました。あと、スケルトンカセットです。
プロミネンスの他にも復活細胞や高速シャッター、ステージボス「ゴーレム」「テトラン」などの多関節キャラもちゃんと移植され、アーケード版同様の戦法が通じる場面も所々に存在します。またファミコン音源で奏でる沙羅曼蛇(ライフフォース)のBGM、中でも「Thunderbolt」「Starfield」の曲はスッと心身に馴染むような最適な出来映えとなっています。
沙羅曼蛇はゲームの雰囲気、世界観、悪役が音無響子さんの声のアニメ版もかなり大好きです。
(2) グラディウスⅡ
まず、ファミコン版初代グラディウスではレーザーの表現が短く、装備できるオプション(分身)の数も2つまでだったものが、沙羅曼蛇ではレーザーが長くなりオプションは一つ増えて3つに(自機座標の値のバケツリレー処理と、2人同時プレイのプログラムではどちらの処理が軽いか分かりませんが、スプライトの表示枚数としてはこの時既に4つ目のオプションは実装可能だった?)、そしてついに、グラディウスⅡで夢のオプション4つのフル装備へと到達することになります。
アーケード版「ゴーファーの野望」の移植を目指したというよりは、楽曲を含めファミコン版独自のアレンジ要素が強い作品となっています。しかしこれはこれで凄い!迫力ある美しいグラフィックとサウンド、バランスに関しては1面からプロミネンスは飛ばし過ぎなところと、敵弾に対しての自機の当たり判定が思いのほか大きいといった感触ですが、一プレイヤーから見ても、ファミコンソフト開発技術集大成の1本だと思える珠玉の逸品です。
(3) ファンタジーゾーン
ファミコンでもセガのファンタジーゾーンが遊べる!全体的にアーケード版の雰囲気に近づけようと頑張っています。攻略法においてもゲームセンターで使っていた技を基準に、ファミコン版の性質に合わせて誤差を修正していけば、「ツインボム」と「ジェットエンジン」のほぼ基本装備で粘ってお金を節約する戦い方も通用します。
一つ気になるところは、本来アーケード版ではダメージメーターの役割を果たしていた前線基地の「鼻」の部分です。スプライト数、色数制限からファミコン版への実装は難しかったのかなぁと…、何か代替案は無かったのか想いを巡らすと、今ではそれすらも楽しみの一つへと変化してきました。一方で4面ボス「クラブンガー」の再現には思わず感嘆しました。この腕の振りをファミコンで動かしてしまうか!と。
それからドラム音とホイッスル音の効いたBGMが聴きたくて、1周クリア後でなければできない裏技のサウンドテストモード(エンディングのスクロールが開始したらⅡコンの左を33回押す、だったかな…、正確を期するには他の裏技サイト等の情報も併せてご確認ください)を目標にもプレイしました。
2.セガマークⅢ(セガマスターシステム)
(1) SDI
美しい宇宙を背景に、敵キャラの軌道を読んで手前にポイポイと自弾を置いていく、自機を自由に動かせる「ミサイルコマンド」といった感じのシューティングゲームです。アーケード版は操縦桿とトラックボールを使った特殊なコントロールパネルでしたが、マークⅢ版では、ボタンを押している間は自機移動、離すと照準移動に切り替わる特殊な操作方法で対応することになります。
自機の移動スピードが遅いパワーアップ前の段階で敵に囲まれ、そこでさらに速い弾速で敵弾を撃たれるとどうにも避けきれない場面や、ディフェンスステージでは突如至近距離に敵ミサイルが散らばって出現するなど、始まるとかなり右往左往させられる忙しいゲーム内容ではあります。しかしながら、誘爆を駆使して自陣への撃ち漏らしダメージを抑えていくバランスが絶妙で、移植の際に使用武器が「スプレッドボム」タイプのみになったこともあり、アーケード版より見た目がスッキリしてルールが分かり易くなったような気がします。
後述の「エイリアンシンドローム」のボスBGMと同様、FM音源で聴くステージBGM「System Down」は極上!名曲です。箱のイラストもかっこ良いので中古ショップで見かけたらぜひ手に取ってみてください。
(2) エイリアンシンドローム
アーケード版では任意スクロールのマップ上を駆け抜ける操作感覚だったのに対し、こちらマークⅢ版は、初代「ゼルダの伝説」のような画面切り替え(画面端に自機が到達すると一気に1画面分スクロール)方式に変更され、一部屋一部屋を確かめながら進めて行く感じのゲームシステムへと再構築されています。
表示区画が切り替わった瞬間、出会い頭で自機と重なるように出現する敵キャラには苦戦を強いられますが、エイリアンを区画ごとに駆逐する雰囲気と不気味なBGMが相まって、私はこのマークⅢ版も嫌いではありませんでした。
3面の細い橋を渡るシーンでは、純正のコントローラーでは意図せず斜めに入って足場から落ちてしまうため、ハドソンのパソコン用連射付きゲームパッド「ジョイカードスーパーⅡ(MSX、PC-8801mkⅡSR、X68000等ではマイコントローラーとして重宝しました)」に差し替えて遊んでいました。うろ覚えなので間違っているかもなのですが、ABボタンの配置が逆になったような記憶があります。しかしそのデメリットを差し引いても、斜め誤入力の改善の方を取った覚えがあります。
(3) アレスタ
家庭用縦スクロールシューティングゲームの定番です。ファミコン(ディスクシステム)版「ザナック」はスピード感、一方こちらアレスタは物量で攻めてくるといった印象を個人的には受けました。多分、私のプレイスタイルがザナックでは[7]番、アレスタでは[2]番を主力武器として使っているためだと思いますが、とにかく始まったら無心で敵に対処していくゲームバランスと、クリアまで完走した時の心地よい疲労感はどちらも同じくらいに好きです。たまにFM音源ユニット無しのPSG音源バージョンでも遊びたくなる一本です。
セガマークⅢのソフト全般に言えることですが、キャラクターを含めグラフィックの発色が濃く色鮮やかで綺麗です。当時ファミコンかマークⅢか…、本体やカセットのお値段的に1人の子供が2台持てるという状況は稀、少なくともご近所周辺には誰もいなく、自然とそれぞれのハードを所有している人の家に何人かで集まるようになってきます。仲間とあーでもないこーでもない言いながら、一つのゲームの少しでも先の画面を見るために力を合わせて攻略に当たりました。いっそセガとファミコンを合わせた本体「セファ(仮)」でも出してくれないかと、言っている友人もいたくらいです。
3.MSX(1~2+)
(1) グラディウス
当時はレーザーが長いというだけで遊んでみたくなりました。ファミコンのゲームに目が慣れてしまっていると、やはりステージがガタンガタンとスクロールしている一点に、最初は随分と違和感を感じることになります。しかし暫くプレイを続けていると、不思議と等速のタイミングで更新する画面に目が慣れ始め、その内、「MSXと言えばこのスクロールだよね」と味の一つにさえ思えてくるようになってきます。逆にその時代の他の様々な8bitPCから見ると、スクロール方式のことよりも寧ろ、スプライト機能を使ったキャラクターの滑らかな移動処理の方に目がいくのかなとも思いました。
パッケージ裏のゲーム画面紹介には、でっかい「ビッグコア」、最終面シャッター前の「メカ触手」、逆火山ステージボス直前の演出、細胞ステージコアの再現などなど、他にもMSX版オリジナル「骨ステージ」のスクリーンショットと並んでずらりと載っており、見たら最後、そりゃあ買うでしょうと…、その時のチラシ一つを取っても、さらに秘密のステージ(エクストラステージ)が隠されていることや、1メガビット(byteではなくbit)を強調した制作陣の気合いの入れようが伝わってくる内容のものでした。ちなみにワープロソフトやシンセサイザーソフトもコナミから発売されていたことが確認できます。
(2) R・TYPE
私が無茶移植の代表作として一つ挙げるとするならばこの作品です。FM音源に対応(MSX-MUSIC対応の不具合があり、FM音源が内蔵されたMSX2+以降の機種で遊ぶ場合でも、スロット1にR・TYPE、スロット2に別売りの拡張カセット「FMパック」を挿す必要があります。)しており、セガマークⅢ/マスターシステム版に比べて少し乾いた硬質の金属音が強めの印象です。グラフィックや動き、スクロールはもちろんMSX仕様ですが、アーケード版より全体的に敵の攻撃が簡略化されて難所突破が楽になった部分など以外は、アーケード版に有ってMSX版には無いという要素はほぼ見当たらず、中でも反射レーザーは「どうやって作ったんだ?」レベルの謎技術の仕上がりとなっており、見事に青い光線が跳ね回る視覚的な華やかさをMSXに落とし込んでいます。
詳しい仕組みはさっぱり分からないのですが、「PCG」や「マークⅢ版スペースハリアー」などのキーワードで調べていくと、スプライトを使わないキャラクター処理について少し理解を深められるのかも知れません。
正確に比較できる例えではありませんが、私個人の制作環境の場合、各キャラクターの移動先とそこでの当たり判定処理などを終えた座標計算結果の位置に、プログラムのループ外で読み込んでおいたキャラクター画像を、種類と奥と手前の優先順位を間違えないように置いていくだけなのですが、全画面を描き換えるマシンパワー頼みと、表示中と描画中の2画面分を溜めるメモリ容量(画像を読み込んだアドレスを直接ポインタで指定したりもします)が十分な、今の一般的なミドルスペッククラスのパソコン性能でも作業にほぼ気になるところがない…、それを踏まえて当時8bitマシン上での開発の工夫や仕組みに改めて思いを巡らすと、先人たちの英知と積み上げてきた技術に敬服すると伴にとても勉強になります。
(3) スペースマンボウ
水平方向へのスクロール機能を持たないMSX2でスムーズ横スクロールを実現(ゲーム画面そのものの表示領域ごと移動させる?)、さらに一部の背景には星を使った二重スクロールも取り入れ、戦いの舞台となる宇宙空間の奥行きが表現されています。また、スタートしていきなり地面の高速スクロールと、それに続いて登場する巨大戦車のキャタピラの動きには度肝を抜かれます。
パワーを取った際の効果音にアーケードゲーム「サンダークロス」を感じさせながらも、自機の上下に付くオプションとオリジナルゲームとしてのステージ構成、ギミックとの相性は良好、ゲームオーバーになっても復活が楽しい絶妙なパワーアップバランスで完成されています。コナミシューティングにおいてファミコン技術の集大成がグラディウスⅡならば、こちらはMSX技術の集大成と言って良い1本だと思います。
それから「(MSX版)グラディウス2」に代表され、「ヘクシオン」「(AC版)悪魔城ドラキュラ」など一時期のアーケード基板にも使われていたとされるSCC音源は、もっともっと他のハード、例えばゲームボーイアドバンスでも採用、普及して欲しかった音源チップだったなぁと…、今も少し残念に思えてしまうところがあります。
T&Eソフトの「スーパーレイドック」とラストどちらにするか迷いましたが、この頃のゲームを選ぶとやはりコナミが多くなりますね。余談になりますが、後にスペースマンボウが遊戯王カードの一枚になっているのには驚きました。
※次は8bit機から16bit機へ、チョイス3(中編)ができたらなと考えています。
(お読みいただきありがとうございました。)
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